III. 計算科学の手法開拓
III-1. 計算科学の手法開拓
計算物質科学、計算生命科学の研究では、計算のための手法の開拓が欠かせません。量子論の原理に則って、新しい理論、計算手法を構築し、それをコンピュータ上で計算するための数学的方式を編み出し、さらには実際のプログラムとしてインプリメントする必要があります。
1980年代から発達してきた密度汎関数法は、実際の物質での電子同士の相互作用を記述するのに威力を発揮し、驚くほどの計算精度を達成しました。またRoberto CarとMicheleParrinelloが編み出したCar-Parrinello分子動力学法は、原子と電子のダイナミクスを記述する有力な手法です。しかしこれらの手法も万能ではありません。ターゲットとする自然現象に応じて、計算手法の新たな開発が必要です。
当研究室では、密度汎関数法を中心にすえた計算を行っていますが、種々の新たな計算手法の開拓も行っています。